故意四球

【審判部からのルール講座⑪】

「故意四球」について

2013年のルール改正でJSAでも採用が決まった「故意四球」ですが、みなさん、もう試合で使われたことがありますか?

2017年からはMLB、すなわちアメリカ大リーグでも採用されており、日本人のイチローが故意四球を受けて、故意四球に対してネガティブな発言をしたことで話題を集めましたね。

「故意四球」は例えば打者と勝負せず、敬遠の四球で一塁へ歩かせたいというようなケースで、守備側の監督、投手、捕手のいずれかが、球審にその旨を通告すれば、一球も投げることなく、四球を与え、一塁へ歩かせることができるというルールです。

「故意四球」は、いつでも通告することができ、打者に対し、打席の最初で、一球も投げずに「故意四球」を通告し歩かせることもできますし、投球の途中、どのようなボールカウントでも通告することができます。ただ、一球も投球していなくても、打者を歩かせるのに必要なボールの数は投球数としてカウントされますので、記録上は注意が必要になります。

二死二塁で、本塁打を打っている四番打者に打席が回ってきた場合や、同点の7回裏無死二塁など塁を埋めたい場合など、「故意四球」を通告する機会があると思います。

ちなみに、日本ではベンチから監督が出てきて球審に故意四球を通告する姿をよく目にしますが、国際試合では監督からのサインにより捕手が球審に通告することが多いようです。実にスマートですね!

故意四球の結果が「吉」と出るか「凶」と出るかは分かりませんが(笑)、作戦のひとつとして「故意四球」を使ってみると、「この監督、ルールをよく知ってるね」と思われるかもしれませんね!