正しい捕球(確捕)について

【審判部からのルール講座⑩】

「正しい捕球(確捕)」について

みなさんは「確捕(かくほ)」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
審判員が「アウト」「セーフ」を判定をするときには、審判員は野手が球を「確捕」しているかどうかをしっかりと見ています。

では、「確捕する」とはどのような状態を言うのでしょうか?

ルールブック1-44項 『リーガリー コート ボール LEGALLY CAUGHT BALL(正しい捕球)とは、野手が打球・送球・投球を手またはグラブ・ミットで確実に捕球することをいう。また、次の場合は正しい捕球である。
1.確捕する前にジャッグルしても、他の野手に触れていても、地面に触れる前に捕球したとき。
2.いったん確捕して、次の動作に移ったのち、落球したとき。』


これだけでは少し説明不足になりますので、審判員愛読書「ケースブック」から少し抜粋します。


ケースブック1-24
「正しい捕球」すなわち「確捕する」とは、野手が、打球・送球・投球を手またはグラブ・ミットで球をしっかりと確実につかむことをいう。

(1)野手が球をしっかりと確実につかんでいれば、「正しい捕球」「確捕」である。野手が球をしっかりと確実につかみ、次の送球動作に移った後、落球した場合は、「正しい捕球」「確捕」したとみなされる。

(2)球が、野手の腕の中で単に抱き止められていたり、野手の身体の一部、用具や衣服により止まって落ちていないだけの場合、球が野手の手またはグラブ・ミットの中でしっかりと確実につかまれるまでは、「正しい捕球」「確捕」とはみなさない。

(3)境界線付近で捕球する場合は、野手の足が境界線内または線上にあればいい。境界線内から境界線外へジャンプして捕球する場合は、身体の大部分が競技場内にあり、かつ着地したときに球をコントロールした状態でつかんでいれば、「正しい捕球」「確捕」である(境界線外に着地した場合は、捕球後場外になる)。いったん競技場外に出た野手が、再び競技場内に戻って捕球する場合は、球に触れる前に両足が完全に競技場内に戻っていれば、「正しい捕球」「確捕」である。

(4)球に触れたときあるいはその直後に、他のプレイヤー、審判員、フェンスと衝突したり、倒れた結果、落球した場合は、「正しい捕球」「確捕」ではない。

(5)インフライトの打球(飛球)が守備側のプレイヤー(野手)以外のものに触れた場合は、地面に触れたものとして扱う。ジャッグルしても、他の野手に触れていても、地面に触れる前に、球をコントロールした状態でしっかりと確実につかんだときは、「正しい捕球」「確捕」である。


よく抗議を受けるのは(2)についてです。
腕の中で単に抱き止めた状態は「確捕」しているとはみなされませんので、ご注意ください。