変造バット

【審判部からのルール講座⑬】

「変造バット」について

このルール講座では、主に野球とソフトボールで異なるルールを取り上げて解説をしていますが、今回は「変造バット」について説明します。

まずはルールブックからの引用です。

「1-1項 アルタードバットALTERED BAT(変造バット)とは検定された正規のバットの構造を改造したもので、バットの表面にペンキなどを塗ったり、握りの部分に余分なテープを巻いたり、コーングリップを取りつけたり、金属の握りの部分を木製のものに取り替えたりしたバットをいう。また、バットに名前を彫ったり、刻んだりすることは、バットのノブ側末端のみ可能である。」

変造バットを持ってバッターボックスに入ると、
ボールデッドとなりバッターはアウトになるだけでなく退場となります。(7-6項9<効果>9)

変造バットを打者席に持ち込むと、持ち込んだ打者はアウトになるだけでなく退場になってしまうのですね…。大変重いペナルティです。

変造バットで最も多いのがグリップの部分にコーンなどのアタッチメントをつけるものです(写真①参照)。野球のルールでは認められていますので、ついつい付けてしまうのですが、ソフトボールでは危険防止のために認められていませんので気をつけてください。


(写真①)


美津和タイガーの「レボルタイガー」(写真②)のように、もともと特殊なグリップでJSAの検定マークを取得しているものはもちろん使う事ができます。

(写真②)


それ以外のバットでグリップエンドがフレアタイプ(タイカップ式)になっているバットは、ほとんどが後からコーングリップなどを取り付けた変造バットになりますので、知り合いから貸してもらったときなどは気をつけてくださいね。

自分も軟式野球ではフレアタイプのバットを使っていましたが、バットコントロールがしやすく球を捉えやすく、また、強く振っても手首を痛めることはありませんので、ソフトボールでも使いたいと思う時がありますが、危険防止の為のルールですので仕方ありませんね。

グリップテープを二重に巻くのも変造バットになります。螺旋状にテープを巻きますので多少は重なる部分ができるのは問題ありません。以前試合会場で、古いグリップテープを剥がさずに、その上から新しいグリップテープが巻かれているバットを見たことがありますが、これは変造バットになります。

試合前に審判員が用具チェックをしますが、これは選手がこのようなルールを知らずに誤って変造バットを持ち込んで退場になってしまうことのないよう未然に防止する意味もあります。用具チェックで変造バットの指摘を受けたときに「マジかよ!今まで言われた事ないぞ!」とか言わないで、危険防止にご協力いただきますよう、よろしくお願いします!