代替プレイヤー

【審判部からのルール講座⑫】

「代替プレイヤー」について

「だいがえプレイヤー」と言う人もいますが、正確には「だいたいプレイヤー」と読みます。

このルールは、選手が出血を伴うケガをした時に備えて、監督さんには是非知っておいてもらいたいルールです。

「4-10項 代替プレイヤー(リプレイスメントプレイヤー)」の主だった項目を説明します。

「1.試合中、プレイヤーが出血した場合、直ちに止血などの処置を行わなければならない。出血したプレイヤーはその処置が完了するまで試合に戻ることはできず、その処置が完了するまで臨時の代替プレイヤーを使用することができる。」

ケガによる出血に限らず、単に鼻血が出ただけだとしても、選手が出血した場合は、その選手は止血するまでは「絶対に試合に出られない」ということをまずは覚えておく必要があります。

ここで監督は、

①代替プレイヤーを利用する。
②代打、代走など通常の選手交代を行う。

このいずれかを選択しなければなりません。

では、①を選択した場合、誰を出場させればよいのでしょうか?

「2.負傷発生時、ラインアップに入っているプレイヤー以外であれば、どのプレイヤーでも代替プレイヤーになることができる。(すでに試合から退いたプレイヤーでもよい)

ただし、違反により退場、除外となったプレイヤーは代替プレイヤーになることができない。」

高校野球などで利用される「臨時代走」とは違い、ベンチにいる選手から任意の選手を出場させる形になります。

球審への通告も当然必要です。

「#7に代わって#13が代替プレイヤーとして出場します」と通告してください。

通告がない場合、相手チームからアピールされると無通告交代のペナルティが課せられます。

代替プレイヤーはいつまで出場できるのでしょうか?

「3.代替プレイヤーは、出血の処置のため一時的に退いたプレイヤーに代わり、そのイニングから次のイニングの終了までプレイを継続することができる。」

例えば、二回表の攻撃中に代替プレイヤーを利用した場合は三回裏が終了するまで使い続けることができるのです。

この辺りも先述の「臨時代走」とは適用が異なりますので野球経験のある監督さんは注意が必要です。

では、それ以上に治療が長引いた場合はどうすればいいでしょうか?

「4.それ以上の新しいイニングに入るときには、その代替プレイヤーが正しい交代者でない場合には、正しい交代者と交代しなければならない。正しい交代者がいない場合には没収試合になる。」

出場している代替プレイヤーが交代できる資格があるプレイヤーの場合は正しい交代者として改めて球審に通告する必要があります。

「代替プレイヤーの#13がそのままレフトの守備に入ります」と通告してください。

もし代替プレイヤーに交代する資格がない場合は、出場可能な他のプレイヤーと交代する必要があります。その場合は、

「代替プレイヤーの#13に代わり#15がレフトの守備に入ります」などと通告してください。

出血した選手の治療が終わり再び試合に戻る場合も当然通告が必要です。その場合は、

「代替プレイヤー#13に代わり、#7が戻ります」などと通告してください。

いずれの場合も、球審への通告を忘れ、相手チームからアピールがあった場合、無通告交代のペナルティが課せられますので、注意してください。

「5.代替プレイヤーとしての試合の出場は、公式な交代とは異なり、試合出場や再出場の権利を妨げない。」

代替プレイヤーで出場したからといって、その後試合に出れなくなることはありません。交代する資格があれば、当然、代打や代走などで出場することができます。

他にも項目はありますが、覚えておいてほしい事項は以上です。

いざという時、慌てず騒がず代替プレイヤーの通告ができるとよいですね!