指名打者(DP)その3

前回のルール講座ではDP(指名選手)の実際の使用方法を説明しましたが、今回はさらに戦略的な使用方法を説明します。

まずは監督から次のような打順表が提出されました。

1 (中) 大島 #8
2 (二) 亀澤 #56
3 (DP) 大谷 #11
4 (右) 平田 #6
<中略>
9 (捕) 杉山 #45
FP(投) 又吉 #16

えっ、先発に又吉くんかよ〜⁉︎
又吉くんは中継ぎでしょ〜?

って思ってくれると話が進めやすいのですが、まずはこのような先発メンバーで試合が始まります。

と思ったら、1回表、又吉くんがまだ1球も投げてないのに、谷繁監督が球審に交代を告げました。

「DPがFPを兼ねてピッチャーに入ります!」

野球と異なりソフトボールでは、投手は打者に対して1球も投げることなく交代することができます。投手だけでなく野手についても同じです。

打撃が得意な投手を先発させる時に単純に、

1 (中) 大島 #8
2 (二) 亀澤 #56
3 (投) 大谷 #11
4 (右) 平田 #6
<中略>
9 (捕) 杉山 #45

のように、DPを使わずに試合を開始してしまうと、もし大谷くんが不調で交代する場合に、試合の途中からDPを使うことはできないので、大谷くんを他の守備につかせるか、もしくは大谷くんを退けなければいけません。

だったら最初の打順表のようにまずはDPとして大谷くんをスターティングメンバーに入れておいて、すぐにFP兼務でマウンドに立たせればいいのです。

そうしておけば、もし大谷くんがマウンドを降りるようなことがあっても、その時は、

「DPの兼務を解除、#16 が投手として再出場します」と球審にコールすれば、大谷くんはそのままDPとして打撃を継続できるわけです。

いかがでしょうか。

これは、日本リーグでもしばしば見られるDPの使い方です。

最後に、ルールブックに出てくる「打撃専門選手(OPO/Offensive Player Only)」について、軽く説明をします!

1 (中) 大島 #8
2 (二) 亀澤 #56
3 (DP) 森野 #7
4 (右) 平田 #6
5 (一) 福田 #55
<中略>
9 (捕) 杉山 #45
FP(投) 大谷 #1

前回の最初の事例と同じ打順表です。

4回ウラの攻撃で、5番福田くんに代打赤坂くんが起用されました。

3 (DP) 森野 #7
4 (右) 平田 #6
5 (一) 福田 #55 ← 代打 赤坂 #69

攻撃終了後、監督は考えました。

福田くんを再出場させるか?
そのまま、赤坂くんを使うか?

監督は赤坂くんを使うことにしました。
ただ、守備は森野くんのほうが上手いので、球審にこのようにコールしました。

「DPが一塁の守備を兼ねます」

ルールでは「DPはいつでもFP以外のプレイヤーの守備も兼ねることができる」って書いてあるので、DP森野くんは一塁の守備を兼ねることができるのです!

そして、守備位置を奪われた赤坂くんが「打撃専門選手(OPO)」となる訳です。

3 (DP一) 森野 #7
4 (右) 平田 #8
5 (OP) 赤坂 #69
<中略>
9 (捕) 杉山 #45
FP(投) 大谷 #1

何となく赤坂くんがDPに変身したような気がしますね。
しかし、ルール上では「DPの打順はその試合中変更することはできない」ので赤坂くんがDPになることはありません。

どうでしょう?

何となくDPについて理解できたでしょうか?

最後にもう一度、復習の意味も兼ねてルールブックの「4-5項」を省略せず掲載します。

試合で利用できるよう是非ともマスターしてください!

4-5項 指名選手(DP/Designated Player)
1. 指名選手(DP)は打撃専門のプレイヤーで、どの守備者につけてもかまわないが、試合開始前に打順表にその記号(DP)と氏名、ユニホームナンバーを記入しなければならない。
2. DPの守備者(FP/Flex Player)は守備専門のプレイヤーで、打順表の10番目に記入しなければならない。
3. DPの打順は、その試合中変更することはできない。
4. DP、FPがスターティングプレイヤーであれば、いったん試合から退いても、いつでも一度に限り「再出場」できる。ただし、自己の元の打順を受け継いだプレイヤーと交代しなければならない。
5. DPはいつでもFPの守備を兼ねることができる。また、FPはいつでもDPの打撃を兼ねることができる。
6. DPはいつでもFP以外のプレイヤーの守備も兼ねることができる。そのとき、DPが守備を兼ねたプレイヤーは打撃のみを継続し、この選手を打撃専門選手(OPO/Offensive Player Only)と呼ぶ。
7. DP、FPはいつでも控え選手と交代できる。

(注1)DPがFPの守備を兼ねるときには、FPはいったん試合から退いたことになる。FPが再出場・交代しないとき、試合に出場している人数は10人から9人になる。

(注2)FPが再出場するとき、10番目の守備専門のプレイヤーに戻るか、DPを兼ねて打撃と守備の両方を行うことができる。

(注3)DPとFPが入れ替わって、二人同時に試合に出場することはできない。DPは守備のみ、FPは攻撃のみのプレイをすることはできない。

(注4)DPが再出場するとき、自己の元の打順に戻って再出場しないと再出場違反になる。

(注5)DPおよびFPのいずれの交代についても必ず通告しなければならない。

(注6)DPがFPあるいはそれ以外のプレイヤーの守備を兼ねている状態で交代したとき、またはFPがDPの打撃を兼ねている状態で交代したときは、解除の通告がない限りは、そのままの状態を引き継いで交代したものとみなされる。